【評価S】繊細でダークなストーリー、ファタモルガーナの館レビュー

「ファタモルガーナの館」は2012年にリリースされた日本のアドベンチャーゲームです。

その独特な世界観と深いストーリーテリングで知られていて、評価サイトメタスコアでは96点と評判の良いゲームです。
今回は、繊細かつダークなストーリー展開が魅力のファタモルガーナの館について、前半はネタバレなしで詳しく紹介します。

ファタモルガーナの館は平均90.2点、【評価S】

以下は、個人の感想となりますのでご承知おきください。プレイにあたり少しでも参考になれば幸いです。ペコリ。

目次

ファタモルガーナの館・概要


「ファタモルガーナの館」は、19世紀のヨーロッパを舞台に繰り広げられるアドベンチャーゲームで、プレイヤーは記憶を失った主人公として、不気味な館で謎めいた女中に出会うところから物語がスタートし、彼女との会話を通じ、自身や館の謎を解き明かしていきます。本作はいくつもの時代を超え、出会いと別れを繰り返すヒューマンドラマであり、群像劇でもあります。

なお、PSVita・PC等幅広く展開されていますが、今からプレイするなら現代編がプレイできるswitchがおすすめです。

ファタモルガーナの館・PV


こちらは任天堂SwitchのPVです。ピン!と来たら是非是非、読みすすめてみてください。

ファタモルガーナの館の魅力

1.卓越したシナリオと人物描写

ファタモルガーナの館をレビューするにあたり、再プレイをして感じたのは良いところは沢山あるけれど、一番はシナリオとプロットかと。謎が徐々に明らかになっていくストーリー構成は素晴らしいの一言。引き込まれました。

そして、登場するキャラクターがそれぞれ強さ・弱さを併せ持っていて、物語の中で「生きて」いる。モブもその時代時代で生きている。

正直、序盤は苦手だなと思ったキャラクターもいたのですが、話が進むにつれて人間らしく成長していき、物語も終盤にさしかかる頃には、愛おしさを感じさせる力量は流石です。それだけ人物描写が繊細だったからでしょう。

時代を超え伏線が回収されていく、壮大なストーリーは読み応えありました。
余談ですが、昔PSから発売されたFOGの「久遠の絆」が好きな人は刺さる予感。

2.世界観にマッチしたイラストと音楽

画像出展・任天堂公式ホームページ

物語に没入感を与えてくれるイラスト、そして音楽。
重厚感のあるイラストが要所要所で差し込まれその時代に引き込まれます。若干グロいところもいいですね。塗りもポップな感じではなく世界観にマッチしています。Switchの現代編はややアニメ風でしたが、現代なのだしと納得。

そして、年代やキャラごとにテーマの変わる音楽が秀逸!ある人のテーマで流れるJAZZが好きでサントラを買いました。サントラについてはまた別途感想かレビューを書く予定です。私見ですが、音楽が印象に残るゲームは名作が多いと思います。

気になるところ

  • 一章が長いので選択肢スキップやキャプチャースキップをもっと細かくしたい
  • フローチャートがあると便利
  • フルボイスだと嬉しい
  • 序盤は話の展開がやや遅い
  • 鬱々とした展開が長いので耐性がない人は辛い展開が多い

フルボイスでなくとも気にならないのですが、ボイスがあるのは現代編のみなります。
展開のスピードは読み飛ばさない為だと思いますが、テンポという意味ではやや気になりました。

【平均・90.2 評価S】レーダーチャート

ストーリー、イラスト、音楽は文句なし。フローチャートがないこと、キャプチャースキップが使い難いことから、ゲーム性とシステムを全体的に見て低めの点数としました。

【総評】どんな人におすすめ?・おすすめしない?

ノベルゲーム好きには勿論のこと、ミステリー、ホラー、恋愛要素ありの、とにかく内容が濃くてドラマティックなストーリーが読みたい!という方に全身全霊でおすすめします。

一方、残酷描写やグロテスクな表現があるので(文字通りの胸糞悪い暴力です)そうした描写が気になるという方には、おすすめしません。

Switch・現代編の感想(※ネタバレあり)


画像出展・任天堂公式ホームページ
ここからネタバレあります。

現代編は賛否両論あるようなのですが、私はそれぞれのパートナーや友人達と再会することが出来たこと、しがらみから解き放たれ、新しい道を進み始めたキャラもいて、ようやく一件落着ということで安堵しました。

キャラが苦しむ時間が長かったこともあり、彼ら彼女達の幸せを祈るような気持ちでゲームをすすめていたので、それぞれが幸せを見つけたのは素直に嬉しかったです。

どのヤコボもツンデレが過ぎるとは思う!
ポーリーンはあれでいいのか……、彼女は素直で優しいからハイメンテナンスな男性に振り回されちゃうのかな。きっと人の気持ちはままならず、また思うようにいかないのは人生の縮図であり、ビターエンドなのでしょうね。

壮大なストーリーのエンドに感じたのは、すぐに合流する展開より、いつかカフェの客として出会うだろうことを匂わせる程度でも良かったんじゃない?と思ったりもしました。
想像の余地があった方が好みというのもありますが、群像劇だからこそ、どこかですれ違い、再び重なるかも知れない、そんな余韻の残る終わりも合うような気がする。これは完全に好みですけどね、ハイ。

ファタモルガーナの館は人の弱さや強さ、相反する心のゆらぎを丁寧に描いた作品で、久しぶりに終わらせるのが勿体ないと思いながらプレイしたゲームでした。本当に素晴らしい!

レビューなので点数を設けたのですが、このブログで一番最初にレビューをしたいと思ったくらい、個人的には100点かつ大好きな作品です。

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