トラブル・マギア~訳アリ少女は未来を勝ち取るために異国の魔法学校へ留学します~(以降トラブル・マギアもしくはトラマギと記載)突然動物に変身してしまう呪いを持つ主人公ルチアが、リーヴェル魔法学校に留学して呪いを隠しながら学校生活を送るお話です。
記事の前半は核に触れるようなネタバレはなしで紹介します。
公式サイトに記載されていることや世界観の概要などには触れますので、まっさらな気持ちでプレイしたいという気持ち方はご注意ください。
トラブル・マギア、採点及び評価
一言でいいますと、自信を持って言います、本作は買いです!
以下、あくまでも個人的な好みの話ということで、ゲームをプレイする方にとって少しでも参考になれば幸いです。ペコリ。
ゲームの概要について
タイトル | トラブル・マギア~訳アリ少女は未来を勝ち取るために異国の魔法学校へ留学します~ |
メーカー | アイディアファクトリー |
ジャンル | トラブルだらけの魔法学校恋愛ADV |
発売日 | 2024年9月12日 |
プラットフォーム | switch |
価格 | 特装版:10,780円(税込)通常版:8,580円(税込)DL版:8,580円(税込) |
CERO | C |
ゲームの世界観について
突然動物に変身してしまう『呪い』という秘密を持つ主人公。
魔法騎士を目指しているものの、『呪い』を受けているだけでまともな就職は絶望的。
『呪い』を解かないままでは将来に支障をきたす!――ということで、
西域の魔法大国にあるリーヴェル魔法学校への留学資格を手に入れ、入学を果たす。
しかし思いがけない出来事から、生徒会からの監視を受けることになってしまい、
解呪の手がかりを探すため、
『呪い』を隠しながら学校生活を送ることになってしまう。
そしてさらには、自身の『呪い』や魔法学校で巻き起こる様々なトラブルにも巻き込まれ……。
アイディアファクトリー公式サイトより引用
トラブル・マギアの魅力
1.好意を抱く過程が、丁寧に描かれている完成度の高いシナリオ
ショート感想にも書いたのですが、主人公と攻略キャラが惹かれ合う描写が丁寧に描かれていて、いつ好意を抱いたの?や好意を抱く理由がわからない…といったことはありません。
そして、個別ルートが、そのキャラでないと成立しない自然な流れで、程よく甘さもあり、切なさもあるストーリーに引き込まれます。
起承転結、しっかりしているところが本作の魅力かと。
ストーリーについてもう少し説明をすると、トラマギはいわゆる金太郎飴ゲームではありません。これもADVにおいて重要だと私は思っています。
本作のライターさんは【絶対階級学園】を手掛けた方とのことで、楽しみにしていた方も多いのではないかと思うのですが、トラマギは、絶対階級学園から毒を抜いてファンタジー寄りにした印象です。地雷要素がないので、乙女ゲーム初心者さんでも安心してオススメできる作品です。
正直、サブタイトルにどうなんだろう?と思う方もいらっしゃると思うのですが、ファンタジー、魔法、恋愛描写が丁寧、金太郎飴じゃないストーリー。こちらの四拍子がハマりそうな方は是非手に取って頂きたい作品です。
2.キャラクター設定が活かされていて、学園ものとしても楽しめる
キャラクターについて触れてみます。主人公ルチアは可愛くて努力家で前向き、健気なところもあり、空気も読める癖がないキャラクターです。足手まとい系でもなく、主人公の言動でおかしいなと思うことはなかったので、プレイしていてストレスが溜まるタイプではないと思います。
女の子メンバーは、登場初期は主張の強いキャラもいますが、基本的に皆いい子で可愛いです。仲良くなっていくお話の展開も◎
お泊りシーンなどほっこりしました。
勿論、対象キャラクターも幼馴染、王子、俺様、ツンデレなど、幅広い属性なので誰かしらキュンとする人がいるんじゃないかなと。
3.ストーリーがゲーム内で完結している
クリア後のオマケとして、数年後の二人を見る事が出来ます。ショートストーリーの中で物語が完結していて、疑問を残さないところもGOOD!
成長した二人の姿を垣間見ることが出来るのも嬉しいですね。
これだけ綺麗に終わっているとファンディスクは難しいかも知れませんが、是非また観たいなと思います。
気になるところ
・バッドエンドの展開が似ている
惜しい点が一つ。詳細はここでは割愛しますが、バッドエンドは割とあっさりしていて、ルートによってほぼ同じ展開という印象を受けました。
絶対階級学園のシナリオの方なので、毒のある展開を期待しすぎてしまっていたのかも知れません。
全体的にとてもよく練られていているストーリーだと思う一方で、当サイトで評価Aを付けているゲームは、全てのENDが秀逸な作品を挙げていることもあり、それには少し及ばないと個人的には思ったので、クリアした時点で評価をBとしました。
【平均・82.2 評価B】レーダーチャート
シナリオの完成度から高得点です。また、嫌味のないキャラクター(声優さんの演技含む)、音楽も良く、プレイしやすいバランスのいい作品かと。
【総評】どんな人におすすめ?・おすすめしない?
おすすめな方
- 起承転結のあるストーリーが好き
- 声優さんが好き
- ゲーム内でストーリーが完結していると嬉しい方
おすすめしない方
- 特になし
総評として、「トラブル・マギア」は乙女ゲーム初心者から上級者まで幅広い方が楽しめるゲームだと思います。
シナリオ重視で明るく、メリハリのあるストーリー展開が好きな方に特にオススメです!気になる方は是非体験版をお試しください。
キャラクター別・感想(※ネタバレあり)
キャラ別感想、以下ネタバレあり。こんな乙女ゲームがプレイしたかった!
以下、ネタバレありますのでご注意下さい。
トラブル・マギアは最初買おうか迷ったタイトルだったのですが、設定が好きなのとシナリオが絶対階級学園の方ということでポチっとしました。結果、買って良かったです!ステラで限定版の二次を購入する程度にハマりました。ステラの冊子の方も爽やかかつ、甘さがあって素敵でした♡
魔法と学園物ということで、ファンタスティック・フォーチューンや、マジェスティック・マジョリカルなどが浮かぶのですが、二作品とも好きなタイトルなので基本的に私は魔法と学園物が好きなんだと思います。なろう系のサブタイトルは苦手な人がいると思うのですが、私、実は苦手ではなかったです。笑
さて、個別キャラ感想に参ります!
アレクセイ・エルディール プレイ感想
王子様であるアレク、最初から主人公には好意的なこともあり印象も良かったのですが、二面性があるキャラでした。彼の周りはアレクを王位に継がせたい、当のアレク本人は王位継承に興味はなく(正確には兄に譲るつもり)、本当は考古学の道に進みたいという気持ちを隠しています。自分の立場上それらが簡単ではなく、そして叶う事がないことがわかっているからです。
ある能力をもたないために王位を継げない兄への遠慮からか、自分を王位に推す声を消す為、アレクはあえて王族として相応しくない振舞いをしています。
ルチアのことも、異国の女性と結婚したいと言えば自身の評判が下がるはず、と利用するつもりで近づきました。ところが、時間を過ごしていくうちに本当に惹かれていき…というのがこのルートのあらすじです。
アレクルートはどうしてこの二人が惹かれていったのかがよくわかるお話の展開で、想い合う二人がすれ違ってしまうシーンが切なかったですね…あと叔父さんは結構しつこい。謎解きの要素もあり、王道のハッピーエンドも設定が活かされているものでしっくりきました。オマケSSも幸せそうで何よりです。
リカルド・サンテ プレイ感想
俺様枠=ちょっと天然という設定がデフォルトで存在していると私は常日頃から思っているのですが、リカルドも天然発言がちょいちょい飛び出すキャラクターでした。(主に誰かのルートに入っている時に散見されたようにも思いますが)
リカルドルートが一番学校行事が楽しかったのは、リカルドが何事にも一生懸命であったからでしょうか。
最初は相性最悪だった二人でしたが、数々のエピソードを通じ、リカルドがルチアの誠実さと優しさ、真面目さに触れるうちに、共通ルートに入る頃にはお互いに心をゆるしていた一連の流れが自然でした。少しづつ距離が近くなっているお話が、リカルドに限らず本作のライターさんの真骨頂ですね。
試練を乗り越えていく過程も無理が無く、週刊少年ジャンプ的な展開も冒険をしていて楽しかったです!オマケSSで大人になった二人も可愛かったです。
ラルス・クロッツ プレイ感想
リカルドが俺様枠なら、ラルスはツンツンデレ枠ですよね(誰かに向かって書いてみる)。とはいえ、そこまでデレデレされると個人的に冷めるので、ちょうどよいツンツン・デレの塩梅だったと思っています。猫のように気ままに、そして良く眠る子だなーと思っていたら、悲しい事情があったのですね。
ラルスは育った環境がかなり特殊なこともあり、大事なところで素直になれず捻くれてしまうのもわかるような。
その優しさと、心のどこかで信じていたかった毒親のことをなかなか切ることが出来ない彼でしたが、裏表のないルチアと接することで癒され、自己肯定感が上がり、自分自身を取り戻していく過程はお見事でした。よく、漫画やゲームだと相手が改心して…という展開があるのですが、そうならなかったのも良かったなと。
これまで苦労をした分幸せになって欲しいなと思う二人、いや二人と一匹でした。オマケで大人になったラルス、カッコいいですね!ですよね?
イザヤ・クライン プレイ感想
イザヤルートは攻略制限があり、最後から2番目に開放されます。
さてさて、幼馴染枠ということで最初からルチアに好意を持っているキャラかと思いきや、割と序盤は本気で兄さんだったので正直、プレイしながらちょっと意外でした。ルチアは素直で可愛くていい子だから、好きにならない訳が無いよなあ、と。
プレイを進めるとイザヤは自分をとりまく環境や生業としていることへの後ろめたさから、自身の感情を封印していたことがわかり、なるほどー、そういうことだったのね、と腑に落ちました。王家の為とはいえ、暗殺を行ているとなると、それはうん、そうなりますよね…。昔から、本当にルチアのこと好きだったんですね。生まれ変わりとかいろいろな設定が明らかになりましたが、そんなの関係ないよね。
イザヤは幼馴染だからと贔屓されることもなく、他ルートと同じ温度でお話が展開していくのも良かったです。
数々の試練を乗り越えながら過去と現在の絆を結んでいく様子も微笑ましかった。イザヤルートでは、途中で殺人や洗脳など不穏な単語が一番飛び交っていたこともあり、ハッピーエンドでは清濁併せ飲み、その先に二人の幸せな未来が掴めたことに安堵しました。
シオン・カルド プレイ感想
攻略制限があり、シオンルートが一番最後に開放されます。
シオンルートで一番楽しみにしていたのは、シオンの妹であるグレースの存在でした。最初悪役令嬢のごとくキャラ設定だったグレースが、だんだん心を開いていくのがツボだったこともあり、早くシオンを攻略したいなーと思っていた次第です。
シオンルートでは、後にわかるのですが実はループをしていて、シオンにだけ前回の記憶が残っています。
前回、ルチアは生徒会に見張られることがなかったので、シオン以外の生徒会のメンバーたちと、ルチアとの距離は空いたままでした。シオンとルチアは両想いとなり、呪いを解こうと二人で力を合わせるのですが力及ばず…今回は、今回こそは繰り返さないと固い決意をしていたシオン。この二人は幼い頃にも出会っていて、シオンが運命属性だったんですね!それは最後になるよね!生徒会にルチアを見張らせるよう促したのも、シオンはルチアに同じ道を歩まないようにと強く思ったからこそなんですね。
シオンとルチアはお互い、血や前世、過去に縛られていたこともあり、一筋縄ではいかない展開でしたが無理やりな展開がなく纏まっていたと思います。ルチアがあるキャラの生まれ変わりだったので、シオンも同じくかな?と思ったのですが、そうではなく現在のシオンが「シオン」であったのが個人的に素晴らしいなと。生まれ変わりが多発するとご都合主義になりますしね。
ハッピーエンドで、シオンと二人、そしてグレースと楽しく過ごして欲しいと願います。
総評
トラマギは、どのルートもそれぞれのキャラ設定が活かされた展開でお話が進み、仲良くなっていく過程が丁寧に描かれていて、(シオンは心情が明かされます)お互いがお互いでないと駄目な理由が明確で、読み物として読み応えがありました。
一方、記事上部にも書きました通り、ショート感想を書いた時には評価をAとしましたが、フルコンした結果、評価はBに下げました。その理由はバッドエンドで同じ展開が多かったからです。ルチアおよび攻略キャラが小動物に変身したまま戻れないENDが複数あったのですが、このパターンは一つくらいでいいかなと。もっと幅広い終わり方が見たかった!これがちょっと心残りです。
お話が綺麗にまとまっているので、この先の展開が難しいかもしれませんがFD希望です。小冊子目当てで、ステラ二次で限定版を買い直したほどハマりました!特にラルスがツボでした。
長文にお付き合いしてくださって、ありがとうございました
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