喧嘩番長乙女、待望のswitch移植ということで、vitaプレイ済でしたが数年ぶりに再度プレイしました。
スパイク・チュンソフトのADVはシナリオがしっかりしていてやり応えのある作品が多いので、引き続き移植希望です!
さて、喧嘩番長乙女は、天涯孤独で施設で暮らす主人公「ひなこ」はある日、双子の兄「ひかる」と名乗る人物に出会い、ひょんなことから喧嘩蔓延るヤンキー男子校、「獅子吼」にひかるの代理として入学式の1日のみ転入するように言われます。
当然、主人公ひなこは女子であるため拒否しますが、説得されるうちに自分にも責任があるように思えてしまい…1日だけという言葉を信じて獅子吼にいくことになりました。
実はひかるは極道の御曹司で、ひかる本人は否定しているものの、周囲からは跡継ぎとして期待されています。ひかるには、獅子吼に通い文字通り拳で学園を牛耳らないと後継ぎと認められないというお家事情がありました。
喧嘩がめっぽう弱いひかるは、自分の身代わりとして、身を守る為に格闘技を極めていたひなこを通わせることを思いつき、ひなこは兄ひかるの身代わりとなって、男子校に潜入することとなる-というのがおおよそのあらすじです。
記事の前半は核に触れるようなネタバレはなしで紹介します。公式サイトに記載されていることや世界観の概要などには触れますので、まっさらな気持ちでプレイしたいという方はご注意ください。
喧嘩番長乙女、採点及び評価

数年振りのプレイでしたが面白かったです。
本作は、明るくてしっかりとしたシナリオのゲームを探している方にはおすすめです!
以下、あくまでも個人的な好みの話ということで、これからゲームをプレイする方にとって少しでも参考になれば幸いです。ペコリ。
ゲームの概要について
タイトル | 喧嘩番長乙女 ダブルパック |
メーカー | スパイク・チュンソフト |
ジャンル | 拳で愛を語る恋愛アドベンチャー |
発売日 | 2025年1月16日 |
プラットフォーム | switch |
価格 | 通常版:7,180円(税込)DL版:7,180円(税込) |
CERO | C |
ゲームの世界観について
天涯孤独の主人公は物心ついた時から施設で暮らしていた。 両親の顔も知らない主人公。 そんな主人公のもとに一人の少年があらわれる。 少年の名は「ひかる」。生き別れた主人公の双子の兄だという。 ひかるは主人公に提案する。
「ボクの代わりに高校に行ってもらえない?」
突拍子もない話に驚く主人公。 しかもその学校とは男子校。県下一のヤンキー高校だった。
ひかるの家は由緒正しい極道・鬼ヶ島家。厳格な父の教えで、行くべき高校を決められていた。その高校は、私立獅子吼(ししく)学園。県内の不良・猛者どもが集まるヤンキー高校。鬼ヶ島家の子供は在学中にこの学園をシメることを義務づけられていた。
ヤンキーなんかと関わりたくないひかる。しかし、父に逆らうことは死を意味する。生き別れた双子の妹がいることを知ったひかるは自分の代わりに主人公をヤンキー高校に送り込むことを思いついたのだった……
任天堂オンライン公式サイトより引用
喧嘩番長乙女の魅力

1.好意を抱く過程が丁寧に描かれていて、個別キャラごとに展開するマルチシナリオ
このゲームを改めてプレイしてみて感じたのが、スタートの段階で、攻略キャラの主人公に対する好感度が塩対応寄り~やや好意がある程度であるということ。
獅子吼ならではの学園行事や、様々な出来事を通じ交流を深めていくのですが、仲良くなっていく過程が丁寧に描かれていたので攻略しがいがありました。
ゲームの設定が設定なので、現実的かと言われるとそうではないのですが、少年漫画的な展開にプラスして、乙女ゲームが融合されたシナリオは新鮮でした。ゲームが進むにつれキャラ同士の友情も楽しめます。
攻略キャラ同士が、仲間として絆を深めていく過程も自然なので、わちゃわちゃしたやりとりが好きな方は二度美味しい作品なのではないかと思います。
個別ルートでは、それぞれの背景が活かされた展開でした。ストーリーの起承転結がしっかりしており、伏線も回収され、爽やかで明るい後味の良さが本作の魅力です。

2.主人公および攻略キャラクターが、声優・キャラデザ含めて魅力的
キャラクターについて触れてみます。主人公のひなこは生育環境から、恋愛には疎いところがありますが、全てにおいて鈍感というわけではなく、人の気持ちの解る、お人好しで優しい女の子です。
ひなこは努力家で前向きなので、好感を抱く人も多いと思います。そして半端なく強い!ゲーム内でミニゲームをして喧嘩をするのですが、主人公の繰り出すパンチの重さに驚きました。攻略キャラよりも強いです。笑
攻略対象には、わんこ系、アイドルなどと幅広く、声優さんも豪華ですね!2017年に発売したゲームなのですが、キャラデザも今見てもカッコいいです。総じて完成度高いです。

3.恋愛と友情ルート、そしてファンディスクと二度楽しめる
本作は選択によって、乙女ルートと友情ルートと選ぶことが可能です。また、本編終了後の世界として、ファンディスク分もswitchには収録されています。しっかりシナリオも長いので、長く楽しめるゲームだと思います。
乙女ルートでは文字通り恋愛メインの展開になるのですが、心情がしっかり描かれていて、キャラによって糖度の差はありますが、皆それぞれにあった恋愛をしていると思いました。全体的に甘酸っぱくて微笑ましいです。
気になるところ

・リズムゲームが苦手な人はストレスを感じる可能性がある、セーブデータがわかりにくい
ミニゲームでは、上からランダムに落下してくるボタン表示に合わせて、画像下中央の●のところで、表示と合致するボタンを押す必要があります。このゲームでは仮に負けたとしても、勝ったことにもできるので、リズムゲームが苦手な人でもクリア出来ないという不安はありません。
ゲーム内での戦闘(喧嘩)はミニゲームをクリアしないといけないので、プレイ頻度は高いです。負けたら選べるのではなく、ゲームの最初からスキップできたら良かったのになと思います。とはいっても、個人的にはリズムゲームは苦手な自分でも楽しめました。
また、本作は恋愛ルートと友情ルートの2つのルートがあるのですが、どちらのルートに進むかを選択肢によって調整をする必要があります。計画的にセーブをすれば問題はありませんが、共通ルートが長いため、周回時にやや手間がかかると感じました。
ちなみに、ロードする際、一番最初のセーブデータが自動的に選択され、直近のセーブデータが選ばれるようにはなっていませんでした。そして、セーブデータには、セーブしたプレイ画面は表示されないので、日時情報で把握する必要があり、見分けがつけにくいです。
各攻略キャラのルートに入る為に、周回する必要があるゲームシステムなので、このあたりは不便だなと感じました。
【平均・80.8 評価B】レーダーチャート

明るくて、楽しいシナリオに高得点です。また、音楽、デザインも良く、バランスのいい作品かと。
一方、ミニゲームには好みがあるのと、セーブデータの不便さからゲーム性とシステムを少し低めにしました。
【総評】どんな人におすすめ?・おすすめしない?
おすすめな方
- 甘酸っぱい恋愛が楽しめて、元気が出るゲームを探している方
- 明るいゲームを楽しみたい気分
- 長く楽しめる作品を探している方(switchは二作品のボリューム)
- 肌色要素より、お互いが好意を抱いていく過程重視のゲームが好み
おすすめしない方
- リズム要素のあるミニゲームが苦手な方
- 本作の戦闘はミニゲーム形式なので、純粋なノベルゲームを求めている方には向かない可能性がある
総評として、「喧嘩番長乙女」はバランスが良く幅広い方が楽しめるゲームだと思います。
明るくてシナリオのしっかりした学園・青春系のゲームを探している方に特にオススメです。
キャラクター別・感想(※ネタバレあり)

キャラ別感想、以下ネタバレあり。
以下、ネタバレありますのでご注意下さい。何度か詳細を書こうと試みたところ長くなり過ぎましたので、かいつまんでの恋愛ルートのひとこと感想です。
箕輪 斗々丸 感想
共通ルートからの続きの展開でした。お話としては、一番ジャンプ的な展開だったように思います。糖度は低めですが恋愛はしているので、徐々に距離を詰めていき、友情から恋へと変わっていく、爽やかなお話が好きだったら楽しいのではないかと思いました。恋愛ルートでは唯一、ひなこは女子高に戻るのですが、他ルートとの差分があったのも良かったと思います。
金春 貴之 プレイ感想
金春は共通ルートでも家族思いの優しいお兄ちゃんで、個別ルートではなぜ鍛えているのかが明かされます。
家族の為に自分を犠牲にしようとする今春は優しい人ですね。もう少し疑った方がいいと思うけど真っすぐなのも彼の魅力なのでしょう。今春ルートは友情要素も多めですが、勧善懲悪な展開なのでスッキリしました!
初々しい二人が微笑ましいです。
吉良 麟太郎 プレイ感想
吉良先輩は、ひなこと子供の頃に出会っていたという運命枠で、二人が施設にいた当時のこと、先輩の家族の話を交えつつお話が展開されます。先輩がどうしてひなこではないと駄目なのかという理由が一番伝わってくるルートでした。
後半、恋心を自覚してストレートに気持ちをぶつけてくる先輩、良かったです。先輩ちょっと天然なのかな?
先輩の家の問題も一段落して、これからは弟くんも交えて楽しく生活できるといいなあと願わずにいられない。
未良子 裕太 プレイ感想
現役アイドルのミラコ先輩。恋愛経験も豊富で、さぞモテてきたのでしょうね、と女性に対する余裕を感じさせるスタートでした。ルートが進むにつれ、未良子先輩がひなこに振り回されている様子が楽しかったです。恋愛的には、未良子先輩のルートが一番糖度が高かったと思います。無意識な小悪魔ひなこ(結果として)に、イケメンモテ男が嫉妬したり、翻弄されるルートが刺さりそうな方は是非。
鬼ヶ島 鳳凰 プレイ感想
攻略制限があって、彼は一番最後に開放されます。鳳凰さんとは恋愛ルートしかないのですが、二人の関係性を考えると友情という道はないだろうなーと思います。最終的にこの二人は結婚するのですが、新婚生活でひなこが幸せそうなので良かったです。お家の問題も一件落着。幸せになって欲しいですね!
総評
喧嘩番長乙女は、どのルートも恋愛に発展していく過程が丁寧に描かれていました。また、友情ルートでの仲間とともにでトラブルを解決していく展開も楽しめる作品です。シリアスな設定や展開のゲームではなく、基本的には明るく爽やかなゲームを探している方にオススメの作品です!※ルートで一部シリアスな展開はありますが、世界が滅びるといった地球規模の重さではないです。
一方、記事上部にも書きました通り、システム部分でセーブデータの見分けがつきにくいこと、ミニゲームの要素が少し人を選ぶかも知れません。そのあたりが気にならないよという方はお手にとってみてください。

長文にお付き合いしてくださって、ありがとうございました
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